公的年金の繰り上げ、繰り下げの戦略は、世帯構成、年金受給額、配偶者がいる場合、年齢差、年金受給額差などによって変わって来るものと思われます。
ブログを拝見する限り、セミリタイアした方は、受給開始年齢を繰り上げあるいは基準年齢どおりと選択する人が多く、繰り下げると公言している人はほとんど見受けられません。
これは一般の方も同様です。
しかし、私は長生きリスクに備え、老齢基礎年金だけ繰り下げるという選択肢を考えています。
繰り上げ選択が有利なケース
繰り上げですが、一般的には病気やけがで受給開始前に収入が途絶えた場合と想定されています。
但し、ブログを見る限り、セミリタイアした方は、65歳からの健康保険料を含めた税負担軽減(特に住民税非課税、国民保険料の均等割り分の減免)、住民税非課税世帯の優遇の恩恵享受の為という事で繰り上げを考えている方が多いように見受けられます。
(但し、繰り上げにより、60~65歳(所得の年金控除額60万円)時に、逆に上記の恩恵が受けられなくなる場合があるので要注意ですが)
私は、アーリーリタイアの時期が遅かった(??)事と企業年金を受給する選択をしてしまった事もあり、繰り上げ、標準通り受給に関わらず、先の税負担軽減措置は受けられそうにありません。従って繰り上げは考えていません。
繰り下げ選択が有利なケース
繰り上げ受給の動機付けがない場合かつ例えば、65歳を超えて、就労、個人年金、利子、配当、分配金などの収入、預金取り崩しなどで生活費が確保されているのであれば、公的年金の繰り下げ受給が有利になるケースもあるかと思います。
70歳まで繰り下げる場合、年金額は約4割増え、税負担等無視すれば、82.5歳以上生きれば得になる計算です(多分)。税負担等考慮すると、若干変わってくるかしれませんが、いずれにしても65歳時点での平均余命が長い女性は有利になるケースが多いと考えられます。
老齢基礎年金だけ繰り下げる
私は、今のところ老齢基礎年金を配偶者(年下妻)との歳の差年月分だけ繰り下げ受給しようかなと考えています。
自分が65歳時点から数年は、加給年金が受給できる予定でその分収入が増えます。
加給年金は老齢厚生年金の受給が前提になっているので、これを繰り下げると加給年金は受給できませんが、老齢基礎年金は加給年金を受給しながらも繰り下げ可能なようです。(再確認要)
従って、老齢基礎年金だけ歳の差の年月分繰り下げて、年金受給額を増やそうかなと考えています。
配偶者(妻)の分も基礎年金分を繰り下げ
妻の分も、自分が存命か否かにかかわらず、65歳時点から基礎年金分を70歳まで繰り下げる予定です。女性なので損益分岐の年齢を超える確率は高いと考えられます。
また、企業年金がない妻が独りになった時でもある程度の年金を確保できる目論見がたちます。
但し、遺族厚生年金の関係で妻の厚生年金は繰り下げると損をする確率が高いので、こちらはやはり繰り下げはしません。
今のところ以上の方針で行こうと考えています。税負担等は細かく計算していませんがこの事により
- 65歳以降も段階的に年金の受給額が上がっていくことになるので、将来の段階的な公的年金減額あるいはインフレによる目減りリスクに対応しやすい
- 企業年金がない配偶者が独りになった時にもある程度の年金額が確保できる
というメリットを享受できると目論んでいます。
文頭の家族形態、年金の受給額等様々だと思いますので何回かシミュレーションしてみるといいかと思います。