リタイア生活を考えるブログ

日産の製造不正について思う事

日産の不正がまたあかるみになった。何度目だろうか?ゴーン氏の合理的経営が不正を生み出す温床になったという指摘もある。20代から10年ほど製造業の開発技術者として現場で働いていたことを思い出し、この問題を考えてみた。

品質関連の独立した組織

在職していた会社には、品質保証部門と品質管理部門があり、おのおの独立した組織だった。いわゆるQCDのQualityのチャンピオン部門だ。

より効率性を重視する製造技術や生産管理部門とは違い、品質が担保できなければ出荷させないという権限も持っていた。

開発部門にもいわゆる細かい事をねちねちと聞いてくるので、若かりし頃は、正直ちょっとうざいと思う事もあった。

一方で、利益としては、数値化しづらいという面もあり、損な役回りかなと感じていた。

海外の製造業との違い

その後、もう現場を離れての事だが、海外のグローバルな製造業者と顧客との調整業務等を経験したことがある。

印象に残っているのは、日本のような品質に関する独立した組織がなかったという事。あっても例えば、ISOの実行監視とかみたいなものであり、製品・生産に直接関与する組織がなかった。

品質をおろそかにしていたという事ではなく、生産管理部門あるいは生産技術部門がその役割を兼ねるという事だった。

海外の組織体系を日本の製造部門にそのまま持ち込む事はないだろうが、うるさ型が少なくなれば、モラルの低下にはつながるような気がする。

改革で影響があったのか?

日産は、ゴーン氏であろうとなかろうと、大胆な改革が必要であった事は間違いない。

副作用としての不正への影響の有無は部外者である自分にはわからないが、品質部門や機能に関するコストカットは、表面上は合理化のいい結果として出やすい気がする。

それに近い作用が起こったという事は容易に想像がつく。トップがそうであったようにモラルが低下していたのかなとも思っている。

高配当は続くのか?

今回の不正問題による、昨日の株価の変動は限定的であった。その要因として一番大きいのが、配当の高さによるものなのかもしれない。

40%の株を持つルノーは、日産の配当は美味しいものであるだろうし、フランス政府もバックにいる。自分もそれに乗っていて、悪く言えば甘い汁を吸っていた。

考え始めてしかし、まっとうに考えれば、配当に回す資金を品質や技術開発にまわす方が企業としては正しい選択なのではないか?と考え始めてきた。

そんな事もあり、後ろめたさ的な事もあり日産の株は手放した。

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