北海道旅行中の遭難(台風&地震)記録(5)― Plan Aで新函館北斗駅へ

決着の朝 - 始動

9月8日(土)6時くらいに起床 身支度を整え食堂へいった。

消防関係者だろうか、北海道以外の救援隊の方々を見かける。女性隊員も結構多い。因果関係まではわからないが、このホテルが普通に営業している事が納得できた。救援隊の全線基地となっているのだろう。やはり、自分は今日中に脱出すべきだ。

朝食はビュッフェ形式、肉野菜乳製品などは制限されていたものの、胃にやさしい感じの朝食をいただく。自分にはこれで充分だ。

その足で駅へと向かう。フェリーを選択した場合2日がかりになるため、東日本・北海道フリーパスの期限をもう一日延ばしてもらった。

ホテルに戻ったら、救援隊の方々が出動していた。救助犬の姿も見えた。かわいい子犬だったが、切迫感を感じてしまう。

Plan A-1で決定

部屋に戻り、8時から昨日決めた優先順位に従ってアクションをとった。

まずはレンタカーの営業所へTEL

1件目、あらゆる車種で貸し出せる車はないとの事。この営業所は、商用車の取り扱いが多いという事なのだが、救助等で使用しているのだろうか?あるいは自分と同じことを考えている人がいて、乗用車もすでに予約でいっぱいなのだろうか?

2件目、何台か在庫ある、但し小型車ばかりとの事。やはり商用車は救助救援等に使われているのだろうか。ツキはまだある。すぐに、1500CCスポーツタイプのワゴン車を、8:30からという事で予約した。クレジット決済になるといわれたが望むところだ。

荷物はすでにまとめてあったので、すぐにCheck outして駅へ向かう。営業所が離れているので、駅の反対側へわたりタクシーを使った。

新函館北斗駅へ

あらかじめ、NOC(Non Operation Charge)や、乗り捨て料金についても電話で合意していたので、手続きはスムースだった。ETCカードは、旅行の際には常に携帯するので問題ない。

早速ナビで、新函館北斗駅を目的地に設定しようとしたら、途中から候補文字が出なくなくなった。乗り捨ての営業所の電話番号でもダメだ。ナビがアップデートされてない。
仕方なく、営業所の住所を途中まで入力し発車した。

レンタカーでの脱出は、車を借りられるかどうか以外については勝算があった。

–  この日は天候が回復するという予報があった事。
–  経路に被害がなく、かつ震源地から離れる方向である事。
–  自分がドライブ好きで長時間運転が苦にならない(この旅でも先日レンタカーを借りてドライブしている。)
–  さらに、メインの経路である道央道は、数年前の北海道旅行で函館-小樽間のドライブの際に走行した経験があり、ある程度道の状況がわかる。

実際、天気も良く、道央道に入ってからは目に映る北海道の自然を楽しみながらドライブする余裕も出てきた。

ただし、途中、対面で消防車両の隊列を見かけたり、山肌の修復工事を見かけたりしたときは、気が引きしまった。

それでも函館に近づくにつれて、純粋に楽しむ気分になってきた。目前に広がる山々、海岸線などが自分の心を和ませた。

新函館北斗駅到着

途中、札幌ナンバーのレンタカーを何台か見かけていた。おそらく、自分と同じ事を考えている人たちがいるのだろう。

大沼の出口に近づいたとき、札幌ナンバーのレンタカーの車両を探しだし後についた。道央道をでた後、新函館北斗駅まで導いてくれるかもしれない。

結局ナビの指示との違いによりその車とは別れたが、ほどなく駅方面の標識を見つけた。何もないところなので、遠くからでも駅が目視できた。

ガソリンスタンドを見かけたが、満タンにしてくれる保障はないという事を聞いていたので、スルーして返却することにした。

レンタカーの営業所では、たくさんの車が止まっていた。ここでは震災の影響で貸し出しは中止しているとの事だった。トイレも使えない。走行距離などを調べる時間を使って駅のトイレを借りた。

燃料費は、2000円足らずだった。支払いは現金のみ。メモ書きの領収書をもらった。その後、新函館北斗駅の写真をとりラインで家族に送った。

(続く)

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投稿者: 楽庵

白け世代とバブル世代に挟まれた新人類世代の1人です。 2018年に定年を待ちきれず、サラリーマン生活に終止符を打ち隠居生活を始めました。 東京の片隅でのんびりと生活しています。

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