独身・夫婦でセミリタイアするなら、国民年金基金への加入も検討すべきだと思う。(1)で記述したように、現在の無職高齢者世帯は、企業年金等を含んだ、終身年金内の収入内で支出を管理していると考えている。
セミリタイアする場合、言うまでもなく、厚生年金の部分はおろか、この企業年金の部分があったとしても、定年まで働いた時よりも給付が少なくなる。その点の対策は、独身、夫婦世帯問わず考えなければならない。まず、完全リタイア期の自分に必要な終身年金額を計算し、厚生年金部分の受給開始時期をずらすということが考えられるだろう。そこで、必要額に到達していなければ、投資もいいが、確実な方法として国民年金基金の加入も考えてもいいのではないだろうか?例えば、iDeCoと国民年金半分ずつかけていくなどなど。国民年金基金もいろいろ言われていることもあるけど、国がバックについている公的な事業なので、リスクは相対的に小さいと思う。
夫婦世帯でセミリタイアする場合だと、配偶者に先立たれ、独身になった場合の考慮が必要だ。一般的に考えれば、夫の方が多くの厚生年金を受給しており、早くに人生を終える。このケースで考えてみよう。亡くなる年齢にもよるが、基本、夫の企業年金・国民年金・国民年金基金の終身部分は妻へは引き継がれない。唯一受給権が引き継がれるのは、遺族厚生年金であり、その場合でも夫の老齢厚生年金の75%が上限だ。妻の遺族厚生年金があれば合算して夫の老齢厚生年金の75%が支給される。先の年金22万円世帯の支給額内訳を、仮に
夫)老齢基礎年金 6.5万円 老齢厚生年金 9万円
妻)老齢基礎年金 6.5万円
とすれば
夫が亡くなった後、妻は6.5万円+9万円x(3/4)= 13.25万円
これで十分であればいいが、もうちょっとあった方がいい、あるいは将来のインフレリスクを考え、老齢基礎年金の繰り下げ受給5年(遺族年金は繰り下げできない)で、
6.5万円x1.4+9万円x(3/4)= 15.85万円
これらは、定年まで働いたとしての計算なので、セミリタイアした場合もっと受給額は減る。それを補完するために、セミリタイア夫婦の妻側に国民年金基金に加入し、受給額を増やせばいいのではと考えられる。調べたところ、遺族年金と自身の国民年金基金の併給は上限なく可能のようだ(あくまでネット情報)。歳が離れていて、妻の残された期間が長くなると予想されるケースでも、それだけ国民年金基金拠出期間が長いため多くのリターンが期待できる。
まとめると、独身あるいは夫婦ともどもセミリタイアに入る場合は、各々のケースで、自身、あるいは配偶者の国民年金基金への加入も検討する価値があるということになる。