前回、厚生年金保険の平均受給額の推移をみていきました。平均額の推移も重要ですが、年金制度設計や働き方によっては、受給額の分布状態も変わってくるかと思われます。今回、分布状態の推移を簡単ではありますが調べてみました。
月額階級別受給権者数(男性)
平成22、24、27、29年度の月額階級別受給権者数の分布を調べ、グラフ(“厚生年金保険・国民年金事業の概要”のデータ使用)を作成してみました。
これを見ると、最繁値は平成22年度の20-21万円から、29年度は18-19万円へと移行し、かつ最繁値の分布割合が増えている事がわかります。
見方にもよりますが、格差は軽減されていく方向とも取れます。
近い将来は、最繁値が17-18万円となり、14万円から21万円のレンジに分布が集中していくのではないでしょうか?
月額階級別受給権者数(女性)
女性の方は手を抜いたわけではないですが、22年の分布と29年の分布状態があまり変わっていないので、データを追加せずこの2年度間の比較としました。作成した下記のグラフ(“厚生年金保険・国民年金事業の概要のデータ使用)をご参照ください。
最繁値は9-10万円で、男性とは逆で受給額が高い方向に広がりがあります。全体的な平均受給額が減少している事を考えると、女性の受給額は相対的には上がってきているように考えられます。
これは、結婚後も働く等、女性の社会進出がある程度進んでいった結果ともとれるかもしれません。
今後の予測は難しいですが、受給額が高い方へシフトしていくことを期待しています。
確か、Sugazeeが社会人になってすぐあたりに男女雇用機会均等法が制定されたと記憶しています。自分達世代の年金受給開始時期以降、変化が出てくるのか否か興味があるところです。
自分の受給額を自身で調べる事が大切
これらの結果は、あくまで全体の流れを図示化しててきたのですが、個人の働き方等によって、期待できる受給額は大きく変わってくるかと思われます。
自分のようにセミリタイアしたら、定年まで働き続けた場合と比べ、期待できる受給額がかなり低くなります。(50歳以上の方は、年金通知でお判りいただけるとおもいます)
幸いにも、国民年金機構で、今後の自身の働き方別に年金受給額のシミュレーションができます。
もちろん不確定要素はありますが、ご自身の予測受給額は、定期的に計算されていた方が良いかと思われます。
自分は、もう何度となくシミレーションしていますし、これからも状況に応じてするつもりです。結果をみながら、繰り下げ等の判断も行っていきたいと考えています。
以上、稚拙な資料と考察で恐縮ですが、何かのご参考にしていただければ幸いです。
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